まぶやーぐみ

「まぶやー」あるいは「まぶい」は字にすると「魂」です。地域によって数が違うけれど、人間の体には、この「まぶい」が3つ、もしくは7つあるといわれ、子供が愕いたり、強い衝撃に合うとまぶいを落としてしまうこともあると言われています。日常でもちょっと驚いたり、危ないめに会うと「危うくまぶいを落とすとこだった」なんていいます。落とさなければいいんですが、落としてしまったら、病気になったり、体調不良になったり、腑抜け状態になったり…。なので当然落としてしまったり抜けてしまった「まぶい」を体に戻さなければなりません。その儀礼を「まぶいぐみ」とか「まぶやーぐみ」といいます。
「まぶやーぐみ」のやり方は土地土地によって異なるようですが、本島の一例では、子供が「まぶい」を落としたと思われると、「ゆた」に頼んで落とした場所を占ってもらい、小さなおにぎり七つ、おかずを七個、塩と水を用意して、夕暮れ時に行うそうです。まず「ゆた」がヒヌカン(火の神様)を拝んでから、当の子供の着物を持って「まぶい」を落とした場所に行き、「何年生まれの子供のイキマブイ、ナナマブイが落ちていますので、落として三日過ぎない今日にお願いしていますから、どうか引き戻してください」と祈って、「まぶい」を着物に呼び戻します。その着物を持ち帰って当の子供に着せ、用意のおにぎりを食べされてから塩と水で清め、さらにススキを三本結んだ魔よけの「さん」で体をたたきます。
また、大人の場合も自分の家の外で亡くなると、そこにまぶいを落とすので、必ず「ゆた」が「まぶやーぐみ」を行って着物に「まぶい」を拾い、その着物を死者に着せて弔いをするのだそうです。

また、特別に「ゆた」に頼むのではなく家族で「まぶやーぶみ」を行うこともあるようです。「まぶい」を落とした場所がわかればその場所で、わからなければなぜかフール(トイレ)で。トイレの神様はとても力が強くてどこからでも呼び寄せることができるのだそうです。
「まぶやーまぶやー、うーてぃーくよー」(魂よ、魂よ、追ってきなさい)と唱えるのだそうです。


かつては生活の一部だった「まぶやーぐみ」。最近では、ほとんど行われなくなっているようです。

―語句説明―
「ゆた」:宗教的な民間の巫女。病気や家庭なの不幸や旅行や受験など、沖縄の女性は何かにつけて「ゆた」のところに出かけて吉凶や不幸の原因を占ってもらう習慣があります。
「さん」:生命力の強い植物にはヤナムン(悪霊・魔物)を撃退する力があると信じられています。その代表的な植物がススキ。ヤナムン祓いの呪具として使われるススキは、根元から切り、先端の葉を結んだ状態のもので奇数本を用いることが多いようです。これを「さん」といいます。

投稿者 majyun : 2005年12月08日 11:52

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